Web制作

個人受託・副業におけるWeb制作の戦略的リソース管理と実装完結プロセス

Web制作
Role
Webデザイナー / WordPressエンジニア(個人受託)
Platform
WordPress, Elementor
Status
Shipped
目次

背景と案件獲得:クラウドソーシングから紹介の輪へ、そして曖昧な要望の交通整理

副業としてのWeb制作キャリアは、LancersやCrowdWorksといったクラウドソーシングプラットフォームでの案件獲得からスタートしました。コツコツと実績を積み重ねていくことで、次第に友人のサイト制作を依頼されるようになり、さらにはその友人からの紹介、そのまた繋がりでの紹介といった形で、現在は完全に紹介をベースとした案件の獲得へとシフトしました。

クライアントから多く寄せられるのは、「なんかいい感じのWebサイトを作ってほしい」という非常に抽象的で曖昧なオーダーです。これをそのまま形にしようとすると必ず手戻りが発生するため、私はまずクライアントの業種を徹底的に理解することから始めます。その上で、デザインの目線合わせとして「何か参考にされているサイトや、競合でイメージに近いサイトはありますか?」というヒアリングを必ず行います。具体的なリファレンスがあればそれをベースに要素を因数分解し、もし「お任せします」と言われた場合には、その業種の市場における最適解として要素の構成をこちらから提示することで、要件の交通整理と確実な合意形成を行っています。

リソースマネジメント:副業ならではの案件選びと期待値コントロール

本業のプロダクトデザインにフルコミットしながら、副業のクオリティを高く維持するための最大の鍵は、厳格なスコープ管理とタイムマネジメントにあると考えます。限られたリソースの中でプロジェクトを破綻させないため、着手する案件の性質を最初から絞り込んでいます。具体的には、長期にわたる大規模な開発プロジェクトや、終わりが見えない継続運用フェーズには入らないようにし、サイトを制作して確実に納品・クローズするという、明確なゴールを持った受託案件のみを選定しています。

また、クライアントとのコミュニケーションにおいても、本業と副業の境界線を引くための「期待値コントロール」を徹底しています。プロジェクトのキックオフ時に、「現在も本業のプロダクト開発を行っているため、平日の日中のミーティング対応は難しいこと」「ただし、夜18時以降、および土日の時間枠であれば確実にまとまったリソースを投下でき、会議や迅速なフィードバック対応が可能であること」を明確に提示し、合意を握っています。稼働タイミングのミスマッチを最初からゼロにしておくことで、クライアントに不安を与えず、本業・副業ともにクオリティも一切落とさない安定した制作ラインを確立しています。

技術選定と体験設計:WordPress + Elementorによる単独完結と「来店」への動線

個人でのWeb制作において、スピードとコストパフォーマンスを高めるための技術選定として、私は基本的にWordPressを採用し、そこにノーコードビルダーであるElementorを組み合わせた開発を行っています。Studioのような直感的なビジュアルエディタの操作性をWordPress上で実現できるため、デザイナーである自分が、テンプレートを使わずにデザインの自由度を妥協することなく、Webサイトへと落とし込んで納品することが可能です。

この選定には、副業における明確な戦略的理由があります。外部のコーダーをアサインしてディレクションする手間や、コーダーを探すための時間コストを完全にカットできるため、プロジェクトの進行スピードを劇的に短縮できます。クライアントにとっても、窓口が私一人で完結するため、意思決定が早くなるという大きなメリットを提供できています。

また、単に綺麗なサイトを作るだけでなく、コンバージョンから逆算した体験設計も行っています。特にLP制作においては、サイトを訪れたユーザーが「どこで迷い、どう行動するか」を意識し、問い合わせから店舗へのリアルな来店へとスムーズに繋がる顧客動線を設計します。実際に納品したクライアントからは、「サイトを公開してからコンスタントに問い合わせが来るようになり、新規の売上に結びついている」という反響をいただいており、他社のビジネスに貢献しています。

振り返り:実装まで握る機動力と、ビジネス視点のインプット

副業でのクライアントワークは、組織の看板を外した一人のクリエイターとしてビジネスの全工程(要件定義、期待値調整、デザイン、実装、効果検証)を経験できる、最高のインプットの場となっています。自分で実装まで行うからこそ、現在のWebトレンドや技術の制約が理解でき、それが本業のUI/UXデザインにおけるエンジニアの実装負荷を考慮した画面設計という強みへ直接還元されています。今後もリソースをコントロールしながら、ビジネスの課題をデザインと機動力で解決する実践を続けていきます。